ゼロと複数形 – 「zero book」 と 「zero books」のどちらが正しいのか?

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

英語では、ある一つのものについて話すときには、単数形を使います。二つやそれ以上のものについて話す時には、複数形を使います。これは最も基本的な英文法規則のひとつでしょう。

one book
一冊の本 「単数形」
two books
二冊の本 「複数形」
twenty books
二十冊の本 「複数形」

しかしながら、ゼロのものについてはどうでしょうか?単数形の zero bookと複数形のzero booksのどちらを使うべきでしょうか?答えは zero booksです。ものが無いというのに何故複数形を使うでしょうか?多くの人にとってこれはあまり理屈にかなったものに見えないでしょう。

zero books
✖️  zero book
0冊の本

僕が思うにこの理由としてはネイティブがno booksと想像するときには、何か特定の本一冊について無いとイメージするというよりは、漠然とした数冊の本が無いということをイメージするからだと思います。同じように、noとanyについても複数形を使います。

I do not have any books.
本を一冊も持っていません。

I have no books.
本を一冊も持っていません。

では0と1の間の数字についてはどうでしょう?実際、英語では単数形で表される唯一の数字は1だけです。他の全ての数字は複数形になります。1より少ない数字でさえ複数形になります。例えば、0.5 meter「単数形」とは言わず、0.5 meters「複数形」と言います。

I ran 0.5 kilometers.
✖️  I ran 0.5 kilometer.
0.5キロ走った。

しかし、half a kilometerやhalf a book など分数を使う場合には単数形を使うことを理解しておくことは大切です。なぜならこういった分数はその名詞を直接修飾している訳ではないからです。half a kilometer はhalf of one kilometerと同じ意味です。
この記事の内容は少しわかりにくいですね。しかし、1以外の全ての数字は複数形で表されるということだけ覚えていてください、そうしたらきっと大丈夫です。

2 件のコメント

  • Lukeさんに質問があるのですが、どちらで質問をすればいいのか分からなかったのでこちらで質問していいですか?
    かなり前ですが「speak soon」の記事に、speak to youが会話中にあるとニュアンスがもっと深くなる、と書いてありました。そのニュアンスが深くなるとは具体的にどういうことですか?教えてください。

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。