「forget me not」の意味と語源

Luke
こんにちは、イギリス生まれ、東京在住英語教師と作家のLukeです。


通常、英語で「forget me not」は「私を忘れないで」という意味になります。このフレーズは,恋愛に関係します。英語の否定文に慣れた方は、この「forget me not」の語順は少し変だと思われるでしょう。日常英語だと、「私を忘れないで」は「don’t forget me」になりますね。しかしなぜ「forget me not」なのかというと、このフレーズは中世時代の英語なのです。そのため、「私を忘れないで」という意味での「forget me not」は、現在の日常会話ではほとんど使われていません。もしとてもロマンチックなカードを恋人に送る時に「forget me not!」と書くならあり得るでしょう。

現在では、「forget-me-not」は花の名前として親しまれていて、書く時には通常ハイフンを入れます。この写真にある綺麗な青い花が「forget-me-not」です。この青色を「forget-me-not blue」と呼びます。これはよく、人の目の色を説明する時に使います。ハリーポッターのロックハート先生の目はこの色なので、Harry Potter and the Chamber of Secrets では以下の説明があります。

Professor Lockhart was wearing robes of forget-me-not blue that exactly matched his eyes.
ロックハート先生は目の色に合わせた、忘れな草の色のローブを羽織っていた。

なぜこの花の名前が「forget-me-not」、つまり「私を忘れないで」なのかというと、それはヨーロッパの神話からきています。
中世時代とあるドイツ人騎士は、恋人のために花を摘もうと岸を降りると、誤って川の流れにのまれてしまいました。そして溺れる前に彼は最後の力を振り絞り恋人にその花を投げ、「僕の事を忘れないで!」と叫びました。残された彼女は彼の墓にその花を供え、彼の最期の言葉をその花につけたのです。
この神話から、この花を身に付けると恋人は自分のことを忘れないと思われていました。 なので中世時代、女性は恋人への愛の証として、「forget-me-not」の花を身に付けていました。

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こんにちは、筆者のLuke Tunnicliffeです。母はアメリカ人、父はイギリス人。イギリスのコーンウォール州生まれ、13歳のとき、アメリカのノースカロライナ州へ。大学卒業した後はワシントンD.C.で雑誌編集者・記者の仕事を経験。その後、新潟県の中学校で英語教師を2年間。現在、東京に在住。著書に『イギリスのスラング、アメリカのスラング』(研究者)、『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『「とりあえず」は英語でなんと言う?』 (大和書房)、『「さすが!」は英語でなんと言う?』、「カジュアル系」英語のトリセツ」(アルク)があります。NHK基礎英語1の「4コマでニュアンスを学ぶ基本英単語」、婦人公論の「ティーテイムEnglish」 の連載もあります。 イギリス、アメリカ、日本で経験した様々なことをこのサイトに生かし、皆さんにお届けしたいと思っています。 皆さん、これからもよろしくお願いします。新着記事を読みたい方は、ぜひ英語 with Lukeをフォローして下さいね。

7 件のコメント

  • Forget Me NotsっていうPatrice Rushen の名曲がありますね。大好きな曲です。
    forget-me-notも今年は二種類のタネをまきました。ちょっと出遅れたかも。
    sがつくのとつかないのとあるけど何だろ。

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