日本語の「リベンジ」は英語でそのままrevengeと訳して良いの?和製英語の罠

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

以前、電車の中でこのような会話を耳にしました。
「こないだね、彼にご飯作ったんだけど、美味しいって言ってもらえなかったの。絶対リベンジするんだー。」
僕はそれを聞いて、こわくなりました。なぜなら「絶対リベンジする」の意味を I will get my revenge.だと勘違いしていたからです。この、I will get my revenge.は、日本語にすると「絶対復讐する」になります。

もうお分かりかと思いますが、英語では日本語のように「再挑戦」のような意味でrevenge を使わないので、それを知らなかった僕は健気な女性を恐ろしい女性だと勘違いしてしまったのです。
どうやら最近日本語の日常会話で使われている「リベンジ」は、「リベンジマッチ」からきているようなのですが、英語で revenge match はスポーツのみで使います。それなので、日本語の「リベンジ」をそのまま revenge と訳して英語圏の人に使ってしまうと、相手は「復讐」や「仕返し」と受け取ってしまい、誤解が生じてしまうでしょう。
それでは、日本語の「リベンジ」、つまり「再挑戦」を英語にしたいならどのように訳せば良いでしょう。まず、よく使われているのは、try again というフレーズです。

I will just have to try again next time.
次回また挑戦するしかないね。

しかし、try again には、「次回はより頑張る」や「もっと上達させる」のようなニュアンスは含まれていません。それなので、try again より、try even harder next time という英語の方が日本語の「リベンジ」に近いかもしれません。

I will try even harder next time!
次こそはもっと頑張るからね!

そして、リベンジは少し面白い日本語なので、そのユーモアも伝えたいなら、make a comeback や make my comeback というフレーズも良いでしょう。make a comeback は「再び活気を取り戻す」という意味になりますが、「リベンジ」という単語のように少しだけドラマチックなニュアンスが感じられます。

I will make my comeback next week. He will definitely love my cooking then.
来週リベンジするんだ。そしたら彼は私の料理を絶対好きになるはず。

6 件のコメント

  • Lukeさん、カタカナ語のニュアンスを使ってますね?
    僕もよく使うんですけど、この単語は直訳できますか?
    Can you say “I feel a bit of dramatic nuance in this expression.”
    “There are a different nuance between these two words.”
    something like these?

  • アグレッシブも間違いのもとですよね。アメリカに来て周りの人にそれはアソーティブだと指摘されました。
    あと、ブービー賞から連想して、ゲームに負けた子供達に「ブービー!」と言ってしまって、子供達が笑って大騒ぎして、ママさん達に教えられました。。。
    失敗だらけです。

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。