クイーンズイングリッシュが減り河口域英語が増える理由

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

僕が英会話の講師をしているころ、何人かの生徒にクイーンズイングリッシュを教えて欲しいと言われたことがあります。英語でクイーンズイングリッシュは received pronunciation といい、主に東南イギリスで多く使われている英語です。現代のイギリス人の多くは、クイーンズイングリッシュを使っている人を見ると、その人は私立校出身の上流階級というイメージを抱きます。そのような人はよく posh と呼ばれていますが、posh は決して褒め言葉ではありません。

河口域英語とは?

イギリスの若者はクイーンズイングリッシュよりEstuary English を使います。Estuary English は日本語で「河口域英語」といい、元々はテムズ川の河口周辺で使われていました。河口域英語はコックニーのように一般的な労働者階級というイメージで、若者は河口域英語を好んで使っています。

河口域英語の特徴

河口域英語には、いくつかの特徴があります。
母音を伸ばす r 音を発音しない

hard – > ha–d

音節末の t を発音しない

water -> wa–er

母音で終わる言葉に続いている is に r を付ける

America is -> America ris

ウィリアム王子もクイーンズイングリッシュを使わない

クイーンズイングリッシュを使っている代表的な人物は、エリザベス女王です。しかし、女王の孫であるウィリアム王子はクイーンズイングリッシュではなく河口域英語を使っています。そして、ウィリアム王子の配偶者であるキャサリン妃はクイーンズイングリッシュを使っているので、エリザベス女王はそのような女性と孫が結婚して嬉しく思っていることでしょう。

イギリスの首相が河口域英語に変化

イギリスの首相 David Cameron は私立大学出身の上流階級なので、クイーンズイングリッシュを使っていました。しかし、国民の支持を得るには共感を得る必要もあるので、徐々に河口域英語を話すようになりました。

6 件のコメント

  • (いつも通り)とても興味深い記事でした。ルークさんのブログを読むと、英語やイギリスに関してまだまだ知らないことばかりだな〜と気付かされます。とても勉強になる上におもしろいのでいつも助かっています。改めて、ありがとうございます(^^)

  • 日本語と同じで、英語も変化して行ってるのですね。
    ただでさえ聞き取りにくいイギリス英語で、あの様な発音をされると慣れてないと分からないでしょうね…
    勉強になりました!

  • Long time no see.
    I have moved.
    I was so busy,so that I couldn’t study English for a while.No waaay!!!
    But,I have a plan to going to move to other
    country in near future.
    One country will become the place for my healthy life style.
    And,the another one country has become the base for supporting my economy and finence.
    I need to use received pronounciation than American enlish.
    You also have uploaded how to pronounce some words by Estuary English.
    But,it sounds difficult to hear correctly in the case of talking english in other countries except UK.
    Anyway,your web site is useful for me!
    Ps. Your Japanese has been welcome yourself who is polite after a little interval.Thanks.

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。