気絶するは英語でなんというでしょうか

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!
気絶

皆さんは、子供の頃に朝礼で倒れてしまった経験はありますか?気絶したことのある人は、気絶したことのない人より少ないはないはずなのに、「気絶する」を意味する英語はいくつもあります。さて、これは一体なぜなのでしょうか。

もっとも一般的に使われているのはfaintとpass outですが、feel light-headed、syncope、lose consciousness、fall unconscious、black out、swoonという単語も使われています。今日は、これらの単語の違いを説明します。

まず、faintを見てみましょう。これは「気絶する」を意味する基本的な単語と考えても良いでしょう。英語圏ではI feel faint.というフレーズをよく耳にします。これは、まだ倒れるまではいかないけれど、頭がクラクラしている際に使います。

I am feeling kind of faint right now. Can I take a break?
今ちょっと頭がクラクラしてるの。休憩してもいい?

この場合、faintは形容詞として使われています。このような場合、light-headedという形容詞も使うことが出来ます。

I am feeling a bit light-headed.
頭がちょっとクラクラしている。

自分が倒れそうな時には、I think I am going to faint. やI think I am going to pass out. と言います。運が良ければ、近くに居る人が支えてくれるでしょう。この場合はfaintもpass outも動詞になります。そして、faintとpass outは同じ意味になりますが、pass outは動詞としてしか使えません。
もし誰かが気絶した時には、

Oh my God. He just fainted.
どうしよう、彼気絶しちゃった。

と言えます。
次は、syncopeです。これは医師などが使う専門用語で「失神」という日本語に似ていて、名詞として使います。

What are the main causes of syncope?
失神の主な原因は何でしょう?

lose consciousnessとfall unconsciousは専門用語ではありませんが、pass outやfaintより科学的な響きです。それなので、自分が気絶しそうな時に
I think I am going to lose consciousness.
とは言いません。しかし、新聞や小説などではlose consciousnessとfall unconsciousをよく目にします。

It is common for patients with very high fevers to lose consciousness.
高熱の患者はよく意識を失う。

Jake said that he fell unconscious for several hours.
ジェイクは数時間意識を失った。

そして、black outは「短い間気を失う」という意味で使います。たとえば、スペースシャトルなどの宇宙船を打ち上げる時は重力のせいで、宇宙飛行士はたまに数秒間black outをしてしまいます。

I blacked out for a couple minutes after the car accident.
車の事故で数分間気を失った。

My friend blacked out from drinking too much.
友達は飲みすぎて意識を失った。

最後に、swoonは現在あまり耳にしませんが、「感情が高ぶりすぎて気絶する」という意味になります。

When she heard that her son had been expelled, she swooned and was carried outside.
彼女は息子が退学になったと聞くと、気を失ってしまい外に運ばれた。

しかし昔のアメリカやイギリスの小説には、swoonという英語はよく出てきます。なぜなら昔の欧米人女性は、よくコルセットをきつく締め上げていたので、すぐに気絶してしまっていたのです。きっと、これほどまでに「気絶する」を意味する英語があるのはそのせいでしょう。

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。