桜は英語で何という? ー 桜を知らない外国人に桜の魅力を伝えよう

桜の英語
Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

最近だんだんと暖かくなり、春の訪れを感じますね。日本が世界に誇るべき、美しい桜の季節がすぐそこまでやって来ています。しかし、そんな美しい桜を知らないネイティブはまだ大勢います。どのような英語でそれを伝えられるのでしょうか。

僕が数年前に住んでいた新潟県の町には、沢山のとても美しい桜の木がありました。その木々を初めて見た頃、まだ桜は咲いていなかったのですが、地元の人に「These are all cherry-blossom trees.」と紹介してもらい、僕は「へぇ、まださくらんぼはなってないのか」と少しがっかりしました。のちに教えてもらうまでは、その木々の前を通る度に「いつさくらんぼがなるのかな」と思って期待していました。
日本人にとって、お花見をするような桜の木とさくらんぼの木が別物だということは常識ですが、一部を除いた多くのネイティブはさくらんぼは知っているけど桜は知りません。その一部のネイティブというのは、ワシントンD.C.やカナダのバンクーバーに住んでいる人たちです。そこには英語圏では珍しく桜の木があるので、彼らはそれがさくらんぼの木ではないと知っているでしょう。

桜を表す英語

では、英語でサクランボの木ではなく、桜の木と表現する方法は何でしょう。実は、桜の種類を表す英語はいくつかあります。

Japanese Cherry  日本の桜
Hill Cherry     丘の桜
Oriental Cherry   アジアの桜
East Asian Cherry  東アジアの桜
Yoshino Cherry   ソメイヨシノ

しかし、植物学に詳しくないネイティブにとって、これらの単語は日常的に使うものではありません。例えば Oriental Cherry と聞いたら、アジアにあるサクランボを思い浮かべるかもしれません。もし桜の木を分かりやすい英語にするなら、冒頭にも出てきた cherry-blossom tree もしくは Japanese cherry-blossom treeが良いでしょう。このフレーズを聞くと、ネイティブは綺麗な花の咲いている木を思い浮かべ、その木が日本の文化に関係しているということも同時に理解出来ると思います。しかし、さくらんぼの木はcherry tree というので、cherry-blossom tree と Japanese cherry-blossom tree と聞いても、僕のようにまださくらんぼがなる木だと思ってしまう可能性が高いので、さくらんぼはならないというのも教えてあげた方が良いでしょう。

This is a cherry-blossom tree. However, this tree doesn’t produce any fruit.
これは桜の木だよ。この木に果物はならないよ。

We went to a park full of Japanese cherry-blossom trees today. It was beautiful.
今日僕たちは桜の木が沢山生えている公園に行った。とても綺麗だった。

In springtime in Japan, lots of people like to go out and have picnics underneath cherry-blossom trees.
日本では春になると沢山の人が外に出て、桜の木の下でピクニックをする。

次に、桜に関わるフレーズや、桜と一緒に使う言葉を見てみましょう。
まず、「桜の木」は cherry-blossom tree なので、「桜の花」は cherry blossoms になります。 cherry-blossom treeのblossomは形容詞の働きをするので、sが付いていません。

This plate with the cherry-blossom pattern is really pretty!
この桜の絵柄のお皿可愛い!

花見をするときに役に立つフレーズ

How are the cherry blossoms?
桜どうだった?

Were the cherry blossoms beautiful?
桜綺麗だった?

Were the cherry-blossom trees in bloom?
桜咲いていた?

満開は英語でなんという?

次に「開花」はbloomという動詞で表せます。これは「咲く」という意味です。

This year the cherry trees are blooming early.
今年は桜の開花が早いね!

余談ですが、bloomingはイギリス英語だと、「超」のようなニュアンスになるので、blooming early は「超早い」という意味になります。
そして「満開」を英語で表すと in full bloom や fully out なので、「桜が満開になる」は、 the cherry-blossom trees are in full bloom. になります。fully out は cherry blossomsと一緒に使い、in full bloomはcherry-blossom treeと一緒に使います。

The cherry blossoms are fully out.
桜の花が満開だ。

The cherry-blossom trees are in full bloom.
桜が満開だ。

The cherry blossoms are in full bloom, so now is the perfect time to go and see them.
桜が満開なので、今が花見をするのに最高のときだ。

桜が散っているときには

次に「散る」はfallenかscatter になります。

Because of all the rain yesterday, the cherry blossoms have fallen off.
昨日の雨のせいで桜が散ってしまった。

そして「舞う」はflutter ですが、通常、「風で」を意味する in the wind と一緒に使います。flutter はよく蝶が羽ばたく様子を表します。

The cherry blossoms are fluttering in the wind.
桜の花びらが舞っている。

花吹雪や桜吹雪の英語

最後に、演歌などでよく耳にする「花吹雪」や「桜吹雪」ですが、残念ながら似ている英単語はありません。しかし、

A blizzard of pink blossoms filled the air.
辺り一面ピンク色の花吹雪だ。

I couldn’t help but stare at the photo of a shower of falling cherry blossoms.
桜吹雪の写真に心奪われてしまった。

のように表すことが出来ます。
いかがでしたか?僕は桜とお酒とお弁当が大好きなので、開花宣言が待ち遠しい限りです。

3 件のコメント

  • Hi Luke,
    ワシントンD.Cの桜は、わたしも、現地を散歩しましたから、懐かしいですよ。
    川沿いに、綺麗に、手入れされた桜並木があり、散歩に最適でした。
    でも、その桜、日本から贈られたものらしいですよ。
    そういう、いい話が、もっと、アメリカ国内しか旅したことがないようなアメリカの人たちにも、伝わるといいよね?
    ワシントンD.C.については、天気も良くて、静かで、日本のように、桜の下で、集まったりせず、
    桜の並木道には、わたし以外、誰もいなかったので、本当に、気持ちよく散歩して、静かに景色を堪能できました。
    わたしは、日本の、ガヤガヤと、うるさい人々の集まりより、
    静かで清潔に手入れされた、ワシントンD.C.のほうが、マッチしています。
    I just had a good time!
    Lukeのほうが、日本人で、わたしのほうが、感覚は、欧米人に近いかもしれないね。
    それを見抜く外国人も、たまにいますけど。
    でも、『外国人』という言葉自体は、使いやすい一方で、わたしは、あまり好きではありません。
    だって、ぜんぜん、違うでしょう?なんで、同じ言葉で片付けたがるのか、わたしは、違和感を感じる。
    日本人だって、いろんな人がいますから、一人一人違いますよね。
    少なくとも、
    Where did you come from?
    What’s your ethnicity?
    と聞くでしょうね、わたしの場合は。
    しかも、その国の、どの地域から来たか?とか、いろいろ聞いちゃうタイプです。
    >僕は桜とお酒とお弁当が大好きなので、開花宣言が待ち遠しい限りです。
    笑っちゃっていい?(笑)
    完全に、日本化してるよね、Lukeは。
    確かに、お花見の習慣は、世界でも、珍しいよね。ワシントンD.C.の桜並木の下で、お弁当食べて、お酒を飲んでいたら、
    ホワイトハウスの警備員に、怒られそうだもんね….。しかも、銃を持ってるかもしれないし。。。。(笑)
    まあ、おおらかって言えば、おおらかなのかな?そういうところはね。
    それはそうと、ちゃんと、参考になるような英会話ブログとかビデオ作ってる英語圏の人(?)って、
    日本の場合、限られていると思うし、率直に言って、自称教師というより、
    「日本人、なめてるの?」と言いたくなるような、レベル低い人が多いので、Lukeには、がんばってもらわないとね。
    I’ll see you soon.

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。