「風邪」と英語の「cold」の意味は本当に同じでしょうか?

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!
Colds

これは僕の思い違いかもしませんが、日本語の「風邪」と英語の「cold」の意味は、必ずしも一緒ではない気がします。英語圏での「cold」は、鼻が詰まったり少し気持ち悪くなった時などに使いますが、熱が出たり喉が痛い時にはあまり「cold」という単語を使いません。そのような時には、「I have a fever.」や「I have a sore throat.」のように言うでしょう。日本人は、39度の熱があったり吐き下したとしても、インフルエンザやノロウィルスや食中毒などと診断されない限り、「風邪を引いた」と誰かに言うことがあるのではないでしょうか?しかし英語圏の人が同じ状態で「I have a cold.」と言う事は、まずないと言っても良いでしょう。

僕は風邪を引いて仕事を休む時、特にこの違いを感じます。もし英語で「I have a cold, so I want to take the day off of work.」と言ったら、なんだかずる休みの言い訳のような感じがします。なので上司は

He just has a cold, so why on earth is he taking a day off?
彼はただの風邪だろ、だったら一体なぜ今日は休むのだろう。

このように思いそうです。英語圏では、体調を崩し仕事を休みたい時には、「風邪」ではなく以下のようなことを言うのが普通です。

I can’t go into work today because I have a high fever.
高熱が出てしまったので、本日は出勤出来ません。

I have tonsillitis, so I’m going to have to take a sick day.
扁桃炎になってしまったので、病休を取らせて下さい。

6 件のコメント

  • 日本人ですが、3月末から英語を勉強し始めて、英語について色々調べているうちにこのブログに辿り着きました。
    日本語だと、鼻が詰まったり、気分が悪かったり、熱が出たり、喉が痛かったり、重大な病気ではないはずだけど、軽く体調がおかしい時には風邪と表現することがほとんどだと思う。
    なので医者の診察を受けるときもどうしました?と聞かれて「風邪を引きました」って答える人が多いはず。以前、父がそのように答えて「風邪かどうか診断するのは医者だ!!」と怒られて、診断してもらったら、「風邪ですね。」と言われたこともありましたがw
    ちなみに、イタリア語だと風邪もインフルエンザもinflueznaになったと表現するので、イタリア人サッカー選手の○○がインフルエンザで次の試合に出場できないという日本語に翻訳されたニュースの多分9割ぐらいは実際にはただの風邪だったりします。
    日本語では(医学的には違うだろうけど)風邪は一般的な病名で鼻づまりや発熱や喉の痛みは具体的な症状と捉えて、イタリア語だと多少の症状の程度の違いはあっても症状がだいたい同じなのでジャーナリストも(これも医学的には本当の病名と違う場合がほとんどだけど)infuenzaって表現する。国によって、こういう表現の違いがあるのは面白いですね。

  • もしかすると日本人ほど “風邪” という病気に該当する単語が好きな民族は居ないかも知れません。
    頭が痛くても、熱が出ても、咳が出ても、時には五月病でも風邪と言ってみたり。
    風邪以外のviralな病気だと言うと心配され過ぎるし、ただの頭痛や咳だと心配してもらえないので、便利な単語なんです。
    だから英語圏との違いが分からない人だと、年に何度か “I have a cold” と言うと思います 😉

  • 本題と関係ありませんが、2つの例文について質問です。
     1.「〜, so I want to take the day off work.」の「the day off」と「work」の
      文法的な関係が判りません。「take」の2つの目的語(「work」を「the day off」
      に置き換えるの意)で良いのでしょうか?
     2.「I can’t go into work today …」の「go into work」の正確な意味が判りません。
      「go to work」では間違いでしょうか?
    以上、2件について回答よろしくお願いします。

    • “Go to work” and “go into work” are both fine. “Day off work” is short for “day off of work”. Maybe I should change it to that to make it easier to understand.

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。