flying startと和製英語のフライングの異なる意味

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!


今年のロンドンオリンピックをテレビで観ていたら、「フライング」という言葉をよく耳にしました。日本で皆さんが普段使っている「フライング」は「フライング・スタート」の略で、合図の号砲が鳴る前にスタートをする、つまり不正スタートを意味しますね。しかし英語での「flying start」は、「助走スタート」という意味になります。
「flying start」の本来の意味が「飛ぶようなスタート」だとすると、なぜ「flying start」が「助走スタート」を意味するのかが分かるでしょう。

英語圏の国では、号砲が鳴る前にスタートしてしまうことを、「false start」と言います。

The sprinters had several false starts.
短距離選手達は何度かフライングをした。

現在の陸上で助走スタートはほとんどないので、flying startは通常比喩的に使われ、「好調なスタートを切る」という意味になります。

The New York Yankees got off to a flying start by winning two games back to back.
ニューヨークヤンキースは2連勝し、順調な滑り出しだった。

Our company got off to a flying start this year.
今年、我々の会社は好調なスタートを切った。

多くの場合、flying startを会話で使う時には、get off to a flying startというフレーズで使われています。
なぜ日本でフライングという言葉がこのような使い方をされるようになったのかは非常に興味深いところですが、ここで重要なのは「フライング」にはネガティブなニュアンスがある一方、「flying start」はとてもポジティブな意味の言葉ということです。これらの言葉の違いによって、日本人と英語圏の人の間ではいろいろな誤解が生じてしまうでしょう。

3 件のコメント

  • I want to get off to a flying start a new school term.
    Are there any mistakes in my sentences?
    上の文章でどこかおかしい部分はありますか?
    言い方とかもアドバイスお願いします。

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。