「rather」の意味と使い方  — 上流階級と庶民の言葉遣いの違い

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

「rather」という副詞は形容詞や他の副詞の意味の強さを調節する働きをします。「rather」は「いくぶん」や「多少」という本来の意味ですが、「rather」は「quite」、「fairly」、「pretty」に比べると、もう少しフォーマルな印象を与えます。「rather」にはイギリス人の上流階級が頻繁に使う言葉の一つというイメージがあります。だから普通のイギリス人は上流階級のイギリス人のまねをしたい時には、「rather」をよく使います。僕は、昔上級階級の志望者だったので、この使い方が好きでした。

That is a rather nice yacht.
あのヨットは素敵ですね。

庶民なら下のように言うと思います

That is a very nice yacht.

普通のイギリス人とアメリカ人も「rather」を使いますが、上流階級のイギリス人と違って、ネガティブなニュアンスがある文章で使います。たとえば、「rather happy」ではなく、「rather unhappy」のほうがよく使われています。また、「rather cheap」より、「rather expensive」をよく耳にします。

Unfortunately, we’ve had rather bad weather recently.
残念なことに、最近のお天気はあまりよくない。

That house is rather ugly.
その家は結構醜いね。

庶民のネイティブもたまにポジティブな文章で「rather」を使いますが、その時は特別な意味があります。それは、何かが期待以上だった時です。たとえば、
食べる前は美味しくないだろうと思っていたが、食べてみたら美味しかった場合

Oh, that was actually rather good.
わあ、それはなかなか美味しかったね。

ジェットコースターに乗って、期待より楽しかった場合

Wow. That was rather fun actually.
すごい。思ったより楽しかったね。

この「rather」を使う時、「actually」という言葉もよく一緒に使われます。なかなかという日本語を英語に訳したい時には、この使い方は役に立つと思います。

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記事を書いたLukeについて

英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。