Cockney ― コックニーというイギリス英語の方言の意味、説明、発音ガイド、ライミング・スラングと例

  

Cockneyの意味

コックニー方言とは、東ロンドンで生まれ育った人達が使う方言です。コックニーはロンドンの下町言葉という風に考えればいいと思います。コックニー方言は英語では「cockney」と言います。ロンドンはとても大きい都市なので、東ロンドンは少し曖昧な名前です。もっと厳密にいうと、「cockney」の定義はメリー・ボウという東ロンドン教会「St Mary-le-Bow」の鐘の音が聞こえる範囲で生まれ育っている人達の訛りです。この地域は英語で「East End」と呼ばれています。実は、「cockney」には二つの意味があります。「East End」の人の訛りだけではなく、その人自身も示しています。「cockney」という人のイメージは労働者階級で、東ロンドン「East End」の市で働いている人たちのことです。

コックニーの地域

East Endは現在のTower Hamlets区とHackney区から成り立っています。

現在では、コックニーが格好いいという理由で、多くのEast Endに住んでいないイギリスの若者がコックニーを真似るようになりました。イギリスの若者にとってコックニーの「street credibilityストリート・クレディビリティ」が一番高いです。僕は、イギリス西海岸のほうで生まれ育ちましたが、学生の頃、同級生とよく「下手に」コックニーを真似ましたものです。この現象は、「mockney・モックニー」と呼ばれています。「mockney」は英語の「mock ― 偽者」と 「cockey」を組み合わせた言葉です。日本人は「マイ・フェア・レディ」や「メアリー・ポピンズ」という映画でコックニー訛りを聞いたことがあるのではないでしょうか?

コックニーの発音

僕はコッキニー方言の発音を示すように以下の音声ファイルを作りました。

thの発音

コックニー訛りでは、「th」の音はきちんと発音されていません。これは英語で「th fronting」と呼ばれています。 [θ]は「f」に、 [ð] は [v] になります。具体例として、「three」は「free」と発音します。そして、「with」は「wiv」と発音します。「thread」は「Fred」になります。「thrill」は「frill」になります。「th」の音を発音しないのは、結構便利でしょう。皆さんはこの発音が出来ますか?

hの発音

多くの場合、コックニーでは、「h」を発音しません。例えば、「have」は「ave」になります。「here」は「ere」になります。コックニーを聞く時には、この特徴によく気が付きますが、実際、アメリカの語やイギリス英語でも、しばしば「h」を発音しません。 もちろん、コックニー訛りほどではありませんが、「he, him, her, his, had とhave」のようなよく使われている単語の「h」はあまりはっきりと発音しません。

母音の発音

コックニーは、母音の発音がクイーンズ・イングリッシュに比べ、より激しく、強い音になります。「ei」の発音はよく「ai」になりますので、「day」は、「daɪ」という発音になります。さらに、/iː/が[əi]になって、/aɪ/が[ɒɪ]になって、/ɔɪ/が[oɪ]になって、/aʊ/が[æː]になります。

コックニーの文法

my – me

コックニー英語では、「my」はよく「me」になります。例えば、「oi! you got me shirt」「ああ、僕のシャーツを持っているよ!」

動詞の違い

コックニー訛りの人はわざと間違った英文法を使います。不正確な文法の中では、「be 動詞の使い方が一番目立つと思います。例えば、「you were」は「you was」となります。「I am」は「I is」となります。コックニーを喋る人は正しい文法を知らないというわけではなく、ただ単に多くの若い人たちは、正しくない文法を使うのが格好いいと思っています。そうは言っても、たまに本当に正しい文法を知らないコックニーもいると思います。

コックニーのスラング

コックニー 通常の英語 日本語
joker a silly person 馬鹿
buff good-looking イケメン
beef a fight 喧嘩
batty man a gay man おかま
yard house
skeen okay 大丈夫
kosher legitimate 正当、本物

押韻俗語

コックニー方言の一番有名な特徴は「cockney rhyming slang」をいう押韻俗語です。「cockney rhyming slang」は二百年前ぐらいに生まれましたが、生まれた理由はまだ議論中です。一つの仮説では、昔の「East End」の闇世界では、押韻俗語は暗号として使われていました、というものです。つまり、押韻俗語は警察には分からず、犯罪者だけが分かる言葉です。他の語学者によれば、「East End」に住んでいる人だけが分かる言葉は「East End」のコミュニティー感覚を強めたため、コックニー・ライミング・スラングが使われるようになったと言われました。理由の如何を問わず、現在でも、「cockney rhyming slang」がまだとても人気があります。

それでは、ライミング・スラングの作り方はどういったものでしょうか? 実は、コックニー・ライミング・スラングは日本語の語呂合せに少し似ています。

もし、あなたが100年前「East End」の市で働いている「cockney」だとしたら、「money」という単語を友達に他人が分からないように伝えたい場合、どうするでしょうか。 まず「money」の語尾が韻を踏んでいる表現を見つけます。この場合、「bread and honey」がぴったりです。「honey」と「money」が韻を踏んでいることが分かりますか? そこで、その表現の最初の言葉を使って(この場合はbread)、最後的にはその言葉を「money」に置き換えます。つまり、「money」の暗号は「bread」になります。今では、この例は19世紀から使われていて、ライミング・スラングの中では、一番有名な単語かもしれません。実際、通常の英語では、「bread」はお金の意味を持つようになりました。

コックニー・ライミング・スラングは有名になりすぎると、面白さと謎めいた感じがなくなってしまいます。そのため、コックニー・ライミング・スラングはいつも変わっていきます。

昔のライミング・スラング

のライミング・スラング 韻を踏んでいるフレーズ 通常の英語 日本語の意味
Brahms Brahms and Listz pissed 酔っている
dog and bone dog and bone phone 電話
china china plate mate 友達
butcher’s butcher’s hook look 見る

最近のライミング・スラング

のライミング・スラング 韻を踏んでいるフレーズ 通常の英語 日本語の意味
Wallace and Grommit vomit 嘔吐
Abercrombie and Fitch bitch 嫌な女
Calvin Klein fine 大丈夫
Tony Blair hair 髪の毛

著者のLukeについてのページはこちらです。 著書に「カジュアル系英語のトリセツ」があります。

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Lukeについて

こんにちは、筆者のLuke Tunnicliffeです。僕はアメリカとイギリスのハーフで、現在東京で翻訳の仕事をしています。生まれてから13年間をイギリスで過ごし、アメリカに越して11年間生活をした後日本に来ました。イギリス、アメリカ、日本で経験した様々なことをこのサイトに生かし、皆さんにお届けしたいと思っています。日本人の人柄と和食、そして日本語が好きなのでまだまだ日本にいるつもりです!皆さんこれからもよろしくお願いします。 新着記事を読みたい方は、ぜひ英語 with Lukeをフォローして下さいね。

スラング 英会話のガイド

コメント

  • Neko★ says:

    すごく分かりやすかったです!イギリスの階級英語について学んでたので、知識がより明確になりました!ありがとうございます。

  • よしこ says:

    street credの意味が分からなくて調べていたら、このサイトに出会いました。何となく分かりました。なかなか面白そうなサイトです。時々覗きます。

  • なおこ says:

    月初にロンドンに行きました日本でBBCニュースで聞いたり英会話スクールに行きtoeicも高得点が取れてたので英語には自信がある程度あったのでですが、ロンドンで地下鉄ののりつぎや道をイギリス人に聞くと何を言っているのか聞き取れずとてもかなしいおもいをしました。
    ふしぎと現地ツアーのコンダクターさんの話は70%はりかいできましたが。
    コックニーは聞いたことがありましたが、旅行前にこのサイトを見ておけばよかった。
    myをme dayをダイ・・・たしかに。なぞがとけました。
    ありがとうございました。

  • とても勉強になりました。ありがとうございます。

    > コックニー・ライミング・スラングは有名になりすぎると、面白さと謎めいた感じがなくなってしまいます。そのため、コックニー・ライミング・スラングはいつも変わっていきます。

    ライミング・スラングの仕組みは理解できました。でも、どうしてこんなスラングが次から次へと生まれて、しかもライミングスラングの辞書までできてしまうほどになってしまうのか、その理由がわかりません。日本語には「駄洒落」と言うものがありますが、それとは比較にならないほどの語彙の多さですね。

    コックニーの人々は言葉の意味を直接的に迅速に伝えることよりも、「面白さと謎めいた感じ」の方をより大切にされるのでしょうか?

    「人生そんなに急いでどこへ行く。もっと言葉を楽しもう」という文化を感じます。

  • Jimmy Seto says:

    Hi Luke
    How ya goin mate!

    I was so surprised to china is cockney English, I have been live in Australia for more than 20 years and my understanding was old aussie slang.

    Actually, todays young blokes never use this words however I remenber many old peoples
    was using this word in the pub.

    That’s sounds quite interesting indeed.

    Mate, Cobba, Pal, China-these are all same menas in the down under I reckon

  • Nin says:

    Dear Luke

    Thank you for your tips about English lanuage in England.
    Actually these days I have watched back music video with Youtube which I used to like when I was teens.
    At that time I did not realized the difference of English accent,
    but now I have got how difficult to lesten to Cockney’s one.
    I want to understand what Paul Weller speaks in the interview.
    I just could get “nothink (nothing)” in his word.

    I will not mind the mistake of speaking in English,
    B/C even between native speakers there are a lot of difference,
    such as “in future” or “in the future”.

    Hava a good day!! (^v^)/

  • wataru says:

    How fantastic!

    I had no idea about a line Basher (by Don Cheadle) said “Barney RubbIe. TroubIe!” on the movie Ocean’s 11. Now I’ve got understand this meaning by your beautiful explanation (even in Japanese).

    Thank you for your article and I’m looking forward to reading new one.

  • mich says:

    学生時代にやってた内容!懐かしい!!

  • Jpn says:

    britishの友達はみんなコックニーを話しますが、未だに理解できないことが多いですw いつかわたしもコックニー話せるようになりたいです!

    イギリス人はコックニーを話す人と会話するとき、すべて理解できるんでしょうか?気になります。

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