「th」の発音 -ネイティブの矯正、「ð」と[θ] という発音記号の使い分け

Luke
こんにちは、イギリス生まれ、東京在住英語教師と作家のLukeです。日本語で英語を説明する趣味です。

今回は、「th」の発音を説明します。「th」は「dental fricative」すなわち摩擦音の一つです。要するに、「th」を発音する際、口で小さな隙間を作って、そこにむりやり空気を流して、その摩擦を使いながら、音を作り出します。この音は世界のあらゆる言葉の中では、なかなか珍しい音で、よく使われている言葉の中では、スペイン語、アラビア語、と英語のみで使われています。しかし、英語において、この音はとても重要です。皆さんが、この音をきちんと作り出せるように、また発音できるようにするため、後ほど口の動き方をより具体的に説明してみます。

イギリスアクセントの「th」
僕の口の感覚では、「th」を発音する際、蛇の舌のように、舌を素早く口の前の方に突き出して、ほんの一瞬だけで前歯に挟み、そしてまた、素早く元の位置に戻します。よく誤解されるのが、ネイティブは「th」の音を発音する際、舌を少し噛むと思っていることです。それは絶対に痛いはずです。
怠け者の発音方法 aka  アメリカアクセントの「th」
僕はイギリスとアメリカのハーフなんだけど、発音はイギリス人っぽいです。多くのアメリカ人やはイギリス人と違う方法で「th」を発音します。アメリカの「th」は「da」という音に似ていることに気付きましたか? 多くのアメリカ人は「th」を発音する際、舌先を上下の前歯の間に挟みません。代わりに、舌先を上の前歯の裏側に付けて音を作り出します。この方法はより発音しやすいとは思いますが、蛇のような「th」の発音方法のほうがより綺麗な音が作れると思います。でも、それは僕の偏見です!なのでアメリカの発音が好きな方にはこの方法はお薦めです。ちなみに、これはニューヨークの発音の特徴の一つです。ニューヨークアクセントでは、「th」と「da」が本当に似ています。他のアメリカンアクセントと比べ、ニューヨークアクセントでは舌先の位置がもっと高くて、「th」を発音する際、舌は上の前歯の後ろの方に付けます。そうやって作り出された音は「da」と「th」の仲間の音です。ハリウッドの影響で、このアクセントは格好よく終われるようになりました。
タイミングが全てですよ
「th」を発音する際、一番難しいのは、タイミングだと思います。舌を前歯に挟んだ途端空気を出すコツを身につけるのは時間が掛かります。まず、スローモーションでやったほうがいいです。舌と口をきちんと整えたら、そのまま息を吐きます。そして、タイミングを会得して、スピードを上げて、最後にはきびきびとした正確な「th」を作れるようになると思います。
二つの「th」の音 ―「ð」と[θ] 
実は「th」には二つの音があります。どちらの音も口の形は同じですが、[θ]が無声音で、[ð]が声音です。つまり、[θ]を発音する際は、声帯を使いません。[θ]の音質はより軟らかく、より息が弾みます。一方で、「ð」はより硬い、よりとげとげしい音質です。 発音の違いがきちんと身についたかどうかを確認するため、「ð」を発音する際、喉に手を当て、喉が震えているかどうかを確認してください。θを発音する際は、喉が震えません。
ð音はθ音の有音声なので、喉に軽く手をあて、喉が震えるのを確認しましょう
以下の単語ではIPA記号の[θ]を使います。 
今回は、「th」についての音声ファイルを作りましたので、「th」の音を練習したい方は聞いて下さい。

以下の単語とIPA記号は[θ]を使います。
think θɪŋk
thought θɔt
thin θɪn
以下の単語とIPA記号は[ð]を使います。
a
the ðə
the cat
the batA
then ðɛn
that ðət
Though I thought they were thinking about it, they didn’t.
ðoʊ aɪ θɔ:t ðeɪ wər tɔk ɪŋ əbaʊt ɪt , ðeɪ dɪdnt .
That is the thing he thought.
ðət ɪz ðə θɪŋg hi θɔt.
This is the tenth thing that I bought.
ðɪs ɪz ðə tɛnθ θɪŋ ðət aɪ bɔt.
[θ] thigh
breath
thought
think
thought
thin
faith
tenth
through
thunder
throw
thank
[ð] thy
this
breathe
the
then
that
there
they
though

9 件のコメント

    • 「ð」と[θ]の違いについてこれだけ詳細な説明を知りません。実際に私がすぐ発音できている訳ではありませんが、理解し易くて助かりました。有難うございます。

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  • 丁寧な解説ありがとうございます。さらに「Thank you」の発音の徹底解説をして頂けると嬉しいです。
    私は「Thank you」の発音が一番苦手です。ネイティブの方々の発音を聞くとサンキュー、センキュー、テンキュー、中にはタンキューの人もいて、とても混乱しています。
    (たしかセサミストリートで、Qが10個で「Thank you」というネタがあったと思うのですが、「Ten Q」と発音してもThank youに聞こえるのでしょうか??)

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    ABOUTこの記事をかいた人

    こんにちは、筆者のLuke Tunnicliffeです。母はアメリカ人、父はイギリス人。イギリスのコーンウォール州生まれ、13歳のとき、アメリカのノースカロライナ州へ。大学卒業した後はワシントンD.C.で雑誌編集者・記者の仕事を経験。その後、新潟県の中学校で英語教師を2年間。現在、東京に在住。著書に『イギリスのスラング、アメリカのスラング』(研究者)、『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『「とりあえず」は英語でなんと言う?』 (大和書房)、『「さすが!」は英語でなんと言う?』、「カジュアル系」英語のトリセツ」(アルク)があります。NHK基礎英語1の「4コマでニュアンスを学ぶ基本英単語」、婦人公論の「ティーテイムEnglish」 の連載もあります。 イギリス、アメリカ、日本で経験した様々なことをこのサイトに生かし、皆さんにお届けしたいと思っています。 皆さん、これからもよろしくお願いします。新着記事を読みたい方は、ぜひ英語 with Lukeをフォローして下さいね。