Rube Goldberg

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

アメリカの新聞とテレビ番組では、Rube Goldberg という名前がよく形容詞として使われています。 
Rube Goldberg (ルーブ・ゴールドバーグ) はアメリカの漫画家でした。
簡単に出来ることを複雑で無駄な作業で実現する機械の漫画を書いていました。 彼の漫画はよく新聞に掲載されて、とても人気になりました。
 そんなわけで、Rube Goldbergは「非現実的」や「複雑すぎる様子」という意味の形容詞として使われるようになりました。

今月はメキシコ湾で石油流出があって、BPが流出を止めるように色んな複雑な機械を作っています。
それをきっかけに新聞とテレビ番組ではRube Goldberg という言葉がよく使われています。
例えば、先週のNY Times では、この文章を見かけました。
「As Rube Goldberg as it sounds, the basic techniques are straightforward and have been used successfully on out-of-control wells around the world.」
「ピタゴラ装置っぽいかもしれないけど、基本的な技術は分かりやすくて、
世界中の制御不能な油井に対してこの機械がうまく使用されて、成功を収めてきました。」

また、ニューヨークであった自動車爆弾の機械を説明する時にも、Rube Goldberg という言葉が使われました。
「I call this a Rube Goldberg contraption.」「私はこれを(爆弾)ピタゴラ装置と呼びます。」

しかし、この英語はアメリカでしか通じません。イギリスではRube Goldberg っぽい機械は「Heath Robinson contraptions」
と呼ばれています。そして、日本では、「ピタゴラ装置」と呼ばれているんでしょう。

英語では名前が日常の形容詞になるのは、珍しいと思います。このことはきっとRube Goldbergの能力と独創性を証明しています。

彼の漫画をもっと見たい人は、https://www.rubegoldberg.com/ をご覧ください。

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記事を書いたLukeについて

英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。