stay goldの意味 ー ロバート・フロストの詩に由来するフレーズ

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

先日、日本人の友人から質問を受けました。その友人がネイティブの友人から貰ったメールには、Remember, mate. Stay gold!と書いてあったのですが、stay goldをどう解釈すればいいのか分からなかったのです。さて、なぜメールにはそう書かれていたのでしょうか。stay goldの本来の意味は、「いつまでも輝いていて」ですが、メールの差出人はそう伝えたかったわけではありません。

このフレーズを理解するために、ロバート・フロストのNothing Gold Can Stayという詩を見てみましょう。

Nature’s first green is gold,
Her hardest hue to hold.
Her early leaf’s a flower;
But only so an hour.
Then leaf subsides to leaf.
So Eden sank to grief,
So dawn goes down to day.
Nothing gold can stay.
萌えいずる緑は黄金
うつろい易き色よ
萌えいずる葉は花
それも一瞬
やがて葉は葉に戻り
エデンは悲しみに沈み
暁は今日に変わる
黄金のままではいられない
(訳者不明)

この詩は、「善良さや純粋さのような美しさはいつかなくなってしまう」ということについて書かれています。stay goldというフレーズは、この詩の最後のNothing gold can stayに由来しています。それなので、ネイティブが普段使うstay goldは「自分を偽らず、腐敗せずに、いつまでも純粋なままの君でいてね」というようなニュアンスになります。これはbe true to yourselfという英語に似ています。
スティービーワンダーの曲でも有名なこのフレーズは、メールなどで別れの挨拶としても使われています。これはbe coolやstay coolの使い方に似ているでしょう。

Okay, see you soon. Stay gold!
うん、またあとで。そのままの君でいてね!

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記事を書いたLukeについて

英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。