「between」と「among」の使い方 見掛けほど簡単ではない

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

まず、「between」 と 「among」の意味を復習しましょう。どちらの前置詞も 『 ~の間で』 や 『 ~のうちで』 という意味として使われます。多くの方は学校で、次の文法のルールを教わっていると思います。 二つのものについて話している時には「between」を使います。三つ以上のものについて話している時には、「among」を使います。このルールを使うと、時には正しい英文法と言えますが、使い方によっては必ずしもそうでは言えません。以下の場合には、上のルールを使っても、問題がありません。

There was a rift between Jane and Tom.
トムとジェインの間に亀裂が入りました。
He stood among the audience.
彼は聴衆の中に立った。

しかし、これで済まない場合が多くあります。 それでは、「between」と「among」の厳密なルールを見てみましょう。「between」は個別に区別できる2つ以上のものに使われます。 一方、「among」は個々のものがはっきりしない集合やグループがある場合に使われます。ですので、「between」か「among」を使いたい時に、まず皆さんはこれが一対一の関係かどうかを確かめて下さい。以下の例文を見てみましょう。

The differences between Chinese, English and Japanese are huge.
中国語と英語と日本語の違いはとっても大きいです。
The negotiations between Coca Cola, Pepsi and Kirin continued on through the night.
コカコーラ、キリン、ペプシの間の交渉は夜を通し続きました。

ここではひとつひとつの言葉や会社がはっきり区別でき、その間の関係性を示しているのでamong ではなく、betweenの方が良いことになります。
一方で、個々のものではなく、集合やグループについて話している時には、「among」
が正しいです。

The differences among languages are great.
世界の言葉は大分違います。
The negotiations among the companies continued on through the night.
会社の交渉は夜を通し続きました。

上の例文を見ると、「among」に続く名詞は複数で、一つしかないです。一方で、「between」続く名詞は単数で、二つ以上でした。これは決められたルールではありませんが、多くの場合「among」と「between」はこのルールを使います。

「among」- グループの間

[among」はよく「団体に所属している」という意味を表します。

Among his friends, he was a hero.
友達の間で彼は英雄だった。

「between」と「among」が示す位置と方向

「between」と「among」は位置や方向も示します。
ぱっと考えると、これらの単語の意味は上の説明とそれほど関係がありませんが、ある意味では、位置を表す「among」と「between」はグループの関係を表す「among 」と「between」と強い関係があると言えますあります。「between」は具体的な場所や詳細な位置を示します。一方で、「among」ははっきりしていない場所や動きを示します。

The house is between those two trees.
家はあの二つの木の間にあります。
The house is among the trees.
家は木に囲まれています。
He walked among the trees.
彼は木々の間を歩いた。
He walked between the trees.
彼は木の間を歩いていた。

「He walked among the trees.」と言うと、誰かが林でトボトボ歩いていたり散歩しているというイメージが思い浮かびます。「He walked between the trees.」と言うと、誰かが林の中の歩道を歩いているというイメージが思い浮かびます。
さて、皆さんは、これで「among」と「between」の違いを前より理解してくれているといいです。皆さんはもう「between=二つ」や「among=三つ以上」という伝説を信じていないでしょうか。
この記事に関連した、「between」と「among」のクイズを作りましたので、やってみたい方は以下のリンクをクリックして下さい。
https://www.eigowithluke.com/quiz/betweenamong.html

1 個のコメント

  • すばらしい説明だと思います。
    2つ3つルールは伝説というよりきちんと文法を研究しなかった人たちがばらまいた嘘です。2から3に増えたからと言ってbetweenをamongに言い換えられることはありません。間違った英語を書くことを求める日本の英語教育には呆れます。
    The negotiations among the companies continued throughout the night.
    これも一つ一つの会社をしっかりと認識していればbetweenでも全然問題ありません。とくにtheと定冠詞をつけていますから。
    The differences among languages are great.
    これはbetweenにはすぐにはできないですが、the languagesとすればbetweenでも自然な文章です。
    between – 一つ一つのものの間の関係を表す。各個体が明文化されている、または周りの文章から推測できるときに使う。
    among – 全体の中での関係を表す。各個体の正体や個体の数は重要ではない。
    このように教えなおすべきですね。2や3以上を言うのは完全にやめるべきです。

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。