黒人英語の決定的な特徴 - 時制

  

ニュースで、アメリカの警察が黒人の英語通訳者を採用する予定という記事を読みました。 そのニュースを読んだ時点で、本当にビックリしました。やはり、英語の方言は地域によって、人種によって、大きく異なるのだと気付きました。

黒人英語の特徴を説明する前に、黒人英語とはどういう意味なのかを説明します。黒人英語とはアメリカにある英語の方言の一部です。 英語で、African American Vernacular English (AAVE) と言います。「ebonics」という言葉もよく使われているけど、実際は、「ebonics」という言葉は、賛否両論があるため、この言葉を使わないほうがいいです。通常、黒人英語を話せる人は、標準英語と黒人英語両方が話せる黒人です。関西弁と関東弁の両方を話せる日本人と同様に、学校や仕事では標準英語を使って、友達や家族との間では黒人英語を喋る黒人は多くいます。

黒人英語の特徴は、発音、文法とボキャブラリーにあります。ボキャブラリーは標準英語とほぼ同じだけど、創造的な造語が沢山あります。Rapをよく聴く人はいろんな黒人英語の俗語が身についているはずです。今回は、僕が取り上げたいのは、黒人英語の決定的な特徴です。それは、時制です。標準英語が話せる人は、黒人英語を初めて聞くと、その文法は正しくなく、規則を無視していると思うかもしれません。しかし実際は、黒人英語の文法は標準英語と同様に、決められた文法が沢山あります。しかも、黒人英語の時制は標準英語の時制よりはるかに複雑です。 標準英語の時制だけでもも十分複雑なのに!

過去形

黒人英語の過去形は、標準英語より、色々な微妙なニュアンスがあります。

He bin had dat car. (He has had that car for a long time).
昔から、あの車を持っていました。

[been]という言葉は昔の過去時期を強調します。標準英語は以下のような昔の過去時制がありません。この構文はとても役に立っています。例えば、誰かが「このドレスは新しくないよ。以前からこのドレスを持っていたの。」と標準英語で表現したい時には、「This dress isn’t new. I’ve had it for ages.」と言わないといけません。 でも、「I been had that dress. 発音で表現すると 「I bin had dat dress.」というような黒人英語で、この複雑な時制を五つの言葉で表現できます。
She worked. あるいは She done work. (She worked) 彼女は仕事をした。
黒人英語の「done」はこの動作が完全に終わったという事実を強調しています。

習慣的な時制

標準英語と違って、黒人英語では習慣的な時制と一時的な時制を区別できます。

John be hungry. (John is always hungry)
ジョンはいつもお腹が空いています。


習慣的な動作

この場合、「be」は習慣的な動作を示しています。標準英語だと、習慣的な動作を表現したい時には「always」や「usually」などの言葉を使わないといけません。

John hungry. (John is hungry).
今ジョンはお腹が空いています。

黒人英語はよくisを省略します。通常、標準英語の「is」を「’s」で短縮ができる場合、黒人英語では、「is」を削除してしまいます。

未来時制

黒人英語は三つの未来形があります。それは、近接未来形、遠い未来形、と不定未来形です。

接近未来形  I’m a-sing. (I will sing soon.) もうすぐ歌を歌います。
遠い未来形  I’m a-gonna sing. (I will sing at some point). いつか歌を歌う。
不定未来形  I’m gonna sing. (I am going to sing). 歌を歌う。

どうして黒人英語と標準英語の時制は、これほど違うのでしょうか? 黒人英語の由来はよく知られていないけど、研究者によると、黒人英語は南部アメリカだけではなく、西アフリカやアイルランドの影響も受けています。つまり、黒人英語は外国語の影響を沢山受けたので、標準英語が表現できないことを表現できるようになったということです。

最後は、よく耳にする黒人英語の短縮語をいつくか挙げます。

my = mah
got = gaht
alright = aight
fool = foo
out = ou
to = tah
because = cuz
going = goin’
what’s = Wus
was = wuz
You all = Ya’ll
ask, asked = aks, aksed

黒人英語に興味がある方には、以下の英語で書いてある記事をお薦めします。

http://www.stanford.edu/~rickford/ John Rickford は黒人英語に関する一流の専門家です
http://www.eng.umu.se/city/therese/Linguistics/featuresintro.htm
http://www.domenicfamily.net/kevin/ebonics.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/黒人英語
http://en.wikipedia.org/wiki/African_American_Vernacular_English#cite_note-45

著者のLukeについてのページはこちらです。 著書に『イギリスのスラング、アメリカのスラング』、『この英語、どう違う?』、『「とりあえず」は英語でなんと言う?』(13万部突破!)があります。

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Lukeについて

こんにちは、筆者のLuke Tunnicliffeです。僕はアメリカとイギリスのハーフで、現在東京で翻訳の仕事をしています。生まれてから13年間をイギリスで過ごし、アメリカに越して11年間生活をした後日本に来ました。イギリス、アメリカ、日本で経験した様々なことをこのサイトに生かし、皆さんにお届けしたいと思っています。日本人の人柄と和食、そして日本語が好きなのでまだまだ日本にいるつもりです!皆さんこれからもよろしくお願いします。 新着記事を読みたい方は、ぜひ英語 with Lukeをフォローして下さいね。

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コメント

  • はな says:

    面白かった!

  • きゃべつ says:

    ありがとう。これで、Their Eyes were Watching God を読めるかもしれません。

  • さば says:

    こういう英語サイトを探してました。面白い。友だちにも勧めます。

  • 通りすがり says:

    黒人英語についてちょっと疑問があって、日本の知恵袋とかで聞いているのですがまともな答えがないので困っています。もし理由をご存じなら教えてもらえませんか?

    Hip hopのこの頃の曲でAll eyes on you Meel Mill ft. Nicki Minajというのがあってその中のlyricsで

    Is you drunk is you had enough?
    Are you here looking for love?

    と続く所があるのですがこのisとareの明確な使い分けの意味がいまいちつかめません。
    Is you drunk is you had enough?
    Is you here looking for love?
    ではなくAreに戻した意味は何だと思いますか?

  • 面白かったです says:

    たまにルークさんのHP見てます。

    良く英語を使ってると色んな表現があってどれが本当に正しいのか分からない時があります。学校で習うhow do you doは普段の若い人の会話では聞かないし、一方で会話では学校で習わないこともたくさん使われるし。

    今回の黒人英語の記事を見て、本当に英語は地域や文化によって様々な表現があるなと思いました。

  • xxoo says:

    Are and Is are same.

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