「very」という英語の意味・「very」の落とし穴

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

今回は、「very」という言葉の意味を見ていきましょう。基本的には、「very」という言葉は、次の言葉の強調の度合いを増やします。

ですので、形容詞や副詞の強調の度合いを強めたい時や大きくしたい時には「very」はぴったりです。
日本語に訳すと、「とても」や「非常に」が適切だと思いますが、「とても」を「very」で必ずしも置き換えることはできません。
例えば、「とても食べられない量」は英語では、very が絶対に使えないので、「there’s no way I can eat all of this] というような英語のほうがいいです。
以上の定義が身につくと、「very」という言葉を使うのはそれほど難しくなく、簡単に形容詞の前に付けることができると思います。
例えば、「綺麗」という形容詞の程度を大きくしたい時には、「very pretty」と言えます。「よい」という形容詞の程度を大きくしたい時には、「very good」と言えます。しかし、まさに「very」の使いやすさのせいで、最近英語圏では「very」が使いまくられています。この問題については、他の記事を書きましたので、是非ご覧ください。
「very」には陥りやすい落とし穴があるけど、それは、程度がない形容詞の前には「very」を使うことができないということです。例えば、「angry」という英単語は「irritated – イライラしている」から「enraged – カンカンに怒る」まで色んな段階があります。ですから、「very angry」は文法的には、正しいです。 でも、「dead – 亡くなった」という形容詞には程度がありません。誰かが生きているあるいは死んでいるのどちらかです。生と死の間にはそれ以外他に、何もありません。こういう白黒はっきりしている形容詞の前には、「very」が使えません。
しかし、ネイティブは冗談でこういう白黒のような名詞の前によく「very」を付けます。
以下の例をご覧ください。
This fish is very, very dead.
「この魚は完全に死んだよね。」
「Yeah, you can say that again. My God it stinks to high heavens.」
「うん、その通り! 本当に臭いがプンプンしているね。」
「蛇足なんだけど、「You can say that again!」 というフレーズは「その通り!」と似ています。
「stink to high heavens」は何かが本当に悪臭している時に使えます。人に対してもOKです (笑)」
この発言は文法的には正しくないけど、違和感がなく冗談で使えます。冗談は、ただの魚の死体ではなく、本当に腐っている魚です。
一つ注意があります。それは、「vary」と「very」のスペルが似ているから、
ネイティブも日本人もよく「vary」と「very」を混同してしまいます。 ちなみに、「vary」という言葉の意味は「変える」や「変わる」です。
それでは、「very」の基本的な意味の説明は終わりです。しかし、「very」には「とても」ほど知られていない別の意味もあります。ですので、まだ「very」という言葉に飽きていない方には、明日「the very」が入っているフレーズを説明いたします。

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。