ネイティブ・アメリカンの言葉に由来する英単語

ネイティブ・アメリカンの言葉
Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

皆さん、アメリカ先住民いわゆる「ネイティブ・アメリカン Native Americans」の言葉に由来する英語が沢山あるということを知っていますか? ネイティブ・アメリカンの言葉に由来する英語は、ネイティブ・アメリカンの道具や習慣「teeppee, tottem」はもちろん、植物や動物の名前、侮辱、日常の英語に至るまで、色々な言葉があります。

barbecueはカリブの民族の神聖な火の穴?

まずは、barbecue 「バーベキュー」です。バーベキューはカリブ海の先住民族のアラワク語族のbarabicuに由来しています。barbicuは「神聖な火の穴」もしくは「枝の骨組み」だったようです。

そして、barbicuはスペイン語とフランス語を経て英語に借用されました。本当に遠回りでしたね。 現在の英語では、標準的な綴りはbarbecueだけど、よく略語のBBQとBar-B-Queが使われています。オーストラリアでは、barbie という俗語が多く使われています。 アメリカとイギリス人はオーストラリア人の真似をする時は、going down to the barbie とよく言います。

indian インディアン

ハリケーンとマヤの神様

hurricane「ハリケーン」 は、ルラカンという風と嵐を司るマヤの神様の名前に由来します。 バーベキューと同じようにスペイン語を経て、英語に借用されました。英語ではhurricane は通常大西洋の暴風を示しています。

buccaneerの意味と使い方 – 猟師の語源

最後は、buccaneer という英語です。buccaneerには「海賊や大物、やり手の商人」という意味があります。 barbicuと同じカリブ海の民族が使ったbuccanという言葉がbuccaneerの語源となります。buccan はbarbicu「神聖な火の穴」の上に置く木材のフレームです。フランス人が北アメリカの南部で植民地を作った時代、buccanを使いながら、豚を焼いている猟師が多くいました。

そのためこの猟師はフランス語でboucanierと呼ばれるようになりました。その後、フランスとスペインの戦争の影響でこのboucanierは色んなカリブ海の島をスペイン人に追いやられたので、海賊に転向させられるようになりました。それで、一般的な海賊の意味となるbuccaneerという英単語が使われるようになりました。

現在ではbuccaneerはよく海賊のような大胆の事も意味します。 特にbuccaneerの形容詞的なbuccaneeringがよく使われています。 例えば、リーマン・ショックを発生したウォール街のバンカーにはbuccaneering financierという言い回しが適当だと思います。

buccaneeringが危険な行動を意味すると言っても、buccaneerは必ずしもネガティブな言葉ではありません。Jack Sparrow「ジャック・スパロウ船長」のように、冒険的なイメージも持っています。ですから現在のアメリカではbuccaneerを使っている会社名やスポッツチームは少なくありません。 例えば、代表的なアメリカン・フットボールチームのTampa Bay Buccaneersです。

他のネイティブ・インディアンの英語:
Barbecue, cannibal,  hooch, cougar, jaguar, cashew, persimmon, tomato, tapioca, tabacco, savannah, hurricane, hammock, canoe, anorak, igloo, kayak, chocolate, cocaine, cocoa, buccaneer

2 件のコメント

  • […] 皆さんは、自分が普段話している言葉がどのようにして使われるようになったのか気になったことはありますか?僕は最近、英語の外来語に興味があります。以前、アラビア語由来の英語、ユダヤ語由来の英語、ラテン語由来の英語のフレーズ、ネイティブ・インディアン語由来の英語についての記事を書いたのもそのせいです。 今回は、中国語由来の英語について考えてみましたが、どんなに考えても「feng shui」と「guanxi」以外思い浮かびませんでした。他にもあると思いますが、なぜ日本語由来の英語とマレーシア語由来の英語より、母国語としては世界でもっとも多く使われている中国語由来の英語の方が少ないのでしょうか。 […]

  • ネイティブインディアンと日本には共通する特徴や言語が今もあり、遠い昔に同じ先祖ではないかと言われていますね。チョコレートも?意外でした…!

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。